ある日〜日本・某所〜
(ダ・カーポ・セカンド・シーズンより約半年後)



「ふぅ…これで終わりですっ♪」




あの少女が…銀髪に近い色をした少女がなんとかすべての本を整頓し終えて、まず言った台詞がそれだった。

と、手近にあったラジオをつけて、色々と音量と局を調節する…すると…




『〜〜とのです。以上でこの時間の初音島ニュースを終わります。

時刻は8時になろうとしています。』




「……初音島かぁ……」



思い出のある土地のように彼女は言うとそのままにラジオをする…すると


みっ♪みっ♪み・は・る・の〜〜ラジオショッピング♪


みなさんっ♪ぼんじゅ〜〜る♪全国3000万を超える美春大好きな美春ファンの皆さん〜〜


今回は、この美春のラジオショッピングが拡大版っ!!


なんと、これだけでちょっとした番組になりましたぁ〜〜


そのあなたぁ〜〜嘘だと思っているでしょう?』




なんとも、感情のゲージが割れるほど…と言えるぐらいの大声と威勢で引っ張るラジオ番組の司会。

その司会が知り合いなのか、なんなのか、少女はちょっと口から笑い声をこぼしていた。



「ふふ…美春はかわらないなぁ〜〜」



『今回は何と言っても初音島放送局とは別枠なんです〜〜では、これから数分ですがよろしくお願いします〜〜

では、最初の商品から〜〜

《美春特製ゴールデン・バナナお味噌汁〜〜》



はいっ!今回、この美春が総力を持ってお勧めするセットメニュー〜〜

それが、この美春特製ゴールデン・バナナお味噌汁です♪

その人〜〜バナナにお味噌汁はあわないと思っていますね〜〜?』


「さすがに、美春…バナナとお味噌汁は…」



つい、ラジオにも関わらずツッコミを入れてしまう少女。

もちろん、ラジオの美春は知る由もなく話を進める。


『ですが、この美春特製ゴールデン・バナナを使えば、もう安心♪

お味噌汁に入れたらぐちゃぐちゃに解けてしまったなんてもうありえないっ!

ゴールデン・バナナはこの美春が品種改良した究極のバナナっ!

お味噌汁との相性も抜群っ!解けずに、だけど柔らかい〜〜美春特製ゴールデン・バナナと

初音島特製のこのお味噌汁のセットはもう欠かせないっ!!

いますぐご注文を!!』


「ご注文…あっ、初音島観光協会ですか?はい、私……」



こう、手がフラフラ〜〜と動かされて、つい買ってしまったと後になって彼女は言う。

だが、美春のラジオショッピングは勢いのおさまるところを知らない。


『はいは〜〜い♪本日は特別編っ!まだまだ続きま〜〜す♪


本日、二つ目の商品はこちらっ!!



《バナナ帝国軍正式品〜スリップ・バナナ〜》


日ごろ、ストレスのたまっているあなた!


いつも、ある一人の人物のせいでイライラがたまりがちなあなたっ!


そんなときは、このバナナ帝国が正式採用されたスリップ・バナナでストレス解消ですっ!


このバナナは一味もふた味も違いますっ!


ですが、味はあくまでもおまけっ!天枷研究所の長年の研究から編み出された


『スリップするためだけに開発された伝説のスリップ・バナナ』なのですっ!

今回は、その能力のほどに喜ばれているお二人の意見を聞きましょうっ!』



『まったく、いっつもあいつのせいでイライラがぁ…いったい、いくら叩いても避けられるってなによっ!

そんなときに美春ちゃんから薦められて、このスリップ・バナナを使ったら

まったくの驚きっ!あのバカがすってんころりんっ!!まったく、日ごろのストレス解消にはちょうど良かったわっ!(初音島在住 M.Mさん)』



『私も、眞子…いえ、ある女性と美春から薦められて、このスリップ・バナナを使ったんです。

えっと、私には兄がいるのですが、なぜかわたしが腕によりをかけた料理の時に限って逃げちゃうんです。

だから、玄関と兄の履く靴にそのスリップ・バナナを用意したら、きれいにすってんころりんっ!

ちゃんと兄に私の手作り料理を食べさせることが出来ました♪(初音島在住 N.Aさん)』 



「…なんか、だれに仕掛けられたのかすぐわかる内容です…でも、こんなことで買う人がいるんでしょうか?」


さっき、バナナお味噌汁を頼んだわりには冷静な判断を下す少女。

もっとも、ラジオに聞こえるはずは何度も言うがなく、ラジオでは無意味にハイテンションな少女が紹介を続ける。



『今回っ!このスリップ・バナナを10個一セットにして、しかも3セットでお値打ち価格っ!2000円ですっ!

食べられるだけではなく、相手をきれいにすってんころりんさせることが出来るっ!

まさに究極の再利用兵器ですっ♪

お求めはお早めにっ!すぐにこの美春のラジオショッピングまでお電話をっ!!

それでは〜〜

みっ♪みっ♪み・は・る・の〜〜ラジオショッピング♪でしたぁ〜〜♪』


「ふう…みんな元気なのかな…もう6月…純一と音夢ならきっと…」



そう言うと再び部屋の片付けと整理、そして書物を見始める少女…



この後、彼女は初音島に行くことを決めた…






後書き

完璧にネタです。はい、ネタです。

ただ単に美春のラジオショッピングがやりたかっただけです(汗



うむむ…美春のラジオショッピングはもともと初音島放送局(CD版)のものですが…

知らない人にもわかる様に書いたつもりですが…ボリュームが足りない…

また、時間的に意味合いがあったので(約30分)これぐらいが精一杯です。

続けてほしいという方がもしいれば、ご感想をお願いします。

それでは。



なお、ラジオショッピングのネタ考案にピクシー様と総帥様のご協力を得ました。ありがとうございます。