ここにある事実と、その真実を知るための本がある。

 

アリス・ミスティオール、彼女の写真は一つとして存在しない。

ミスティオール本家にはあるものの、彼女の写真は一つとして残されてはいないのだ。

個人的な写真以外は公的な場からすべて排除されている。

そもそも、当時にしてはオーバーテクノロジーとされる遺伝子操作で子供を作ったとされる(そのため夫はいない)

アリス・ミスティオールは、一族だけしかその写真を持つ事すら禁止されていたという事実がある。

それもアリスの強い要望で。

 

 

伝説にすらなっているアリスの容姿にはさまざまな憶測が飛び交っている。

一つは、彼女の本家、ミスティオール家は代々金髪という家系で青の瞳であったため、その血筋から

その容姿に聖母マリアのような体格をしているという説が濃厚だが

ミスティオール本家と近い、地球連合政府の裏では別の憶測が飛び交っている。

現代表、イリアス・ミスティオールは銀髪に青の瞳、またミスティオール家の長女、ミナ・ミスティオールは

金色の瞳に金髪、これから推測されるに銀髪で金色の瞳をしているのがアリス・ミスティオールと言う意見だ。

 

だが、その意見を表立って言うものはいない。

なぜなら、2203年現在、その容姿の有名人が一名いたのだ。

テンカワ・ルリ、その彼女という存在がミスティオール家の血筋という以上に何かの運命的なもので結ばれているか

その事実は知らされていない。

だが、真実というのもいつも、酷いもので世界は真実を知らないで進むものだった。

 

 

 

 

 

新たなるナデシコ物語

第五話 月に惹かれた太陽

 

 

 

ナデシコ占拠より、およそ30分後

L1(ラグランジュ・ポイント・ワン) 地球連合地球圏防衛拠点要塞『シルフィニー』

地球連合統合宇宙軍(仮称) 現地球連合統合平和維持軍 

第一試験航空機動艦隊 旗艦 超弩級機動空母『タケミカヅチ』

 

ブリッジ

 

 

連合第一航空機動艦隊は、ユーチャリス・プラン、ダイアンサス・プランと言った次世代主力戦艦選定とは

別にネルガル・マーベリックグループと連合が開発していた次世代戦略構想に基づいた艦隊である。

 

つまりは航空機動打撃力を持って、敵戦艦を撃沈すると言う考えは昔からあったが、火星の後継者騒動の後

それは根底から見直され、超弩級機動空母『タケミカヅチ』級(全長980メートル、同型艦にタケミカガタ 全長780メートルがある)

となって、ここにその威容を堂々と見せ付けている。

 

横にあるドック艦コスモスAですら小さく、戦艦と駆逐艦の差ほどに見えてしまう

超弩級機動空母『タケミカヅチ』の搭載機動兵器数はエステバリスサイズで常時稼動機数240機を誇り

搭載機動兵器数は280機を越える(同タケミカガタは稼動数180機、搭載数210機)

 

大統領が出撃命令を出した第一試験航空機動艦隊旗艦であるタケミカヅチでは、司令長官以下のメンバーが

大統領からの命令を受けていたのだが……


 

『というわけです。芳乃さくら第一試験航空機動艦隊司令長官。ただちに鎮圧していただきたいの。』

 

 

連合の裏では『権力者の象徴』とまで言われているイリアス大統領に真っ向から意見を言える人すら少ないと言われている…

でも、きっと………

 

 

「ふにゃ?今、うちの艦隊は試験運用中なの?大統領、その意味わかっているよね〜?」

 

 

司令長官…ううん、さくらちゃんの隣で通信を聞いていた私、朝倉音夢としては…やっぱり、大統領のことイリアスさんって

さくらちゃんがきっと苦手なのかな?

さっきから、さくらちゃんのペースに完全に巻き込まれているところを見るにそうしか見えないですし。

 

『ですが、事態は急を要します。それにも…』

 

大統領がいいづらくなったところをまるで待っていたかのようにさくらちゃんはその…

 

言っちゃうと悪いけど、さくらちゃんは今年20歳って言う割には…身長140センチメートル…ううん…女の子?

でも、私と幼馴染なんだけどね…今でも、さくらちゃんが司令長官っていうことを聞くたびに驚く人たちは後を絶ちませんし。

 

ともにかくにも、その幼さ特有の満面の…だけど、幼馴染だから分かることもある…これは何かを楽しみながら言っている様子だった。

 

「第一試験航空機動艦隊のテストにもなる…かな?

連合議会はこの機動艦隊決戦戦略にはあまり賛同じゃないって言うし。まったく、古い考えだよね〜〜

そもそも、ユーチャリス級機動戦艦だって、サポート艦扱いになっているだから、戦艦の時代は古いのさぁ〜〜

お堅い頭の連合上層部ってボク大っ嫌いなんだよね〜で、その頂点に君臨する大統領のお頼みなんだよね?」

 

『…私は基本的に機動艦隊決戦には肯定的なの。即時展開性に優れるから。

とにかく、第一試験航空機動艦隊には機動戦艦ナデシコCの拿捕、こちらの意向次第ではですが…撃沈も許可します。』


 

「ふうぅ〜〜ん。まあいいや。ボクがするべきことは命令を忠実に遂行するだけってね。軍人としての公私の区別はするつもりだし。

音夢ちゃん、タケミカガタのお兄ちゃんにも通達。第一試験航空機動艦隊出撃だよ。」

 

 

 


 

 

 

私、テンカワ・ユリカがそれを知ったのは家に帰ってからだった。

 

「ナデシコCが占拠されて、勝手に飛んだッッ!!??

それって、本当ですかっ!!お父様ッッ!!??」

 

 

いきなり、そんな事実が伝えられれば私じゃなくても驚くよね?呼んでくれている皆さん♪

あれ、私ヘンなこと言っているや…アハハ…

って、違う違うっ!!ルリちゃんの大ピンチじゃないっ!!

というよりも、きっとさっきのハーリー君の家での通信もこのことだったのねっ!!

大統領さんプンプンッッ!

 

 


「アキト、今の聞いてた?」

 


「…ああ、とにかく、宇宙軍に行くんだろ?俺も行く。アカツキなら何か知っているかもしれないからな。

だが、こんな時期に反乱か…ミスマルのおじ様、これはどういうことですか?」

 


『ああ。どうやら、地球連合中央政府は隠しているようだが…ナデシコCを占領したのは

火星の後継者の一部らしい。しかも、連合刑務所からヤマサキまで逃げたという報告が来ておる。』

 


ヤマサキ、その言葉が聞こえた途端、アキトが…怒ってた。

今まで、私が見たことないようなアキトの顔…だぶん、これがルリちゃんの言っていた『黒の王子様』…

でも、私も少しは分かる。ルリちゃんを人質にとろうだなんて…

 


「アキト、とにかく私が運転するから宇宙軍本部に行こう?

どっちにしても、アカツキさんも含めて宇宙軍本部に来るみたいだから。」

 


「……そうだな。ラピス、行くぞ。」

 


「うん。わかったよ。」

 


私が用意した車、IFS対応だから、私ぐらいしか動かせないけど。

アキトはぜんぶ消したし、ラピスちゃんのとは規格が違うみたいだもん。

 


「アキト…大丈夫だよ。ルリちゃんは。」

 


「ヤマサキがいるだけで心配だ。あいつは…」

 


アキト…私が眠っていたとき、一対何があったか、私は事実しか知らない。

身をもって体験しなければきっと、私も分からないほどのことをされたんだろうけど…

アキトをこんなに変えたヤマサキさん…その時、私は始めて人を憎んだのだと、後になって気づいた。

 

 

 

 


 

 

 

 

「統合軍艦隊、接近…ヤマサキさま、どうなされますか?」


私の前で、連合政府各所のコンピュータが掌握されていた。

中には、連合情報本部…フェアリー・ガーディアンズのコンピュータまで、これだけ一気に多数のコンピュータに攻撃が仕掛けられるなんて…

オモイカネは書き換えられたとはいえ、相性が大切なはず。いったいどういうこと…


「ふ〜〜ん。僕の邪魔しに来るとは良い度胸だねぇ…無視無視、どうせ、僕のナデシコに攻撃できるはずないからね。

まあ、適当にシステムを暴走させておけば良いよ。」


「了解しました。オモイカネ、直ちに航行システム書き換え。」


『OK♪』


「一つ聞いて良い?どうやって、オモイカネ&ルリの能力を超えるだけの能力を発揮しているの?

いくらプリズナといえども、異常だわ。これは。」


すると、ヤマサキはわざわざ私に近づいてきた。

気持ち悪い、生理的に私の体が拒絶反応を示していたけど、さっきから神経系の麻酔注射のせいか、体は殆ど言うことは聞いてくれない。


「ふふ…僕はついにアリス・ミスティオールの真実を知ったんですよ。

彼女の能力の秘密が分かれば、こんなことも簡単なんですよ。君もこれだけの力、発揮してみる気にはなりませんかい?」


「これだけの力があれば、世界を変えられる?やって見たいけど、あんたの下僕になってまでやる気はないわ。」


「おや、残念ですね…でも、いいですよ。後でゆっくりと遊んであげますし。

テンカワ・ルリ……彼女に、それを試してみたいですけど、艦内には見つからないんですか?」


「すみません、ヤマサキさま…どうやら、テンカワ・ルリに艦内警戒システムをプログラムから破壊されました。

修復作業は継続中ですが、まだかかると思います。」

 


まるで、いえ実際にヤマサキの下僕と化しているサンゴ、私の妹か姉か…

こんな奴の言いなりにさせられるなんて。

 


「統合軍を甘く見ない方が良くって。きっと、躍起になってあなたを追い回すわよ?」


「現代戦はシステム戦なんですよ?それで、僕は世界一の電子戦艦で世界一のマシンチャイルドを使っている…

僕に勝てる人間が入るはずないじゃないですか。」


「テンカワ・ルリ、彼女ならどうにかなるんじゃなくって?

あなたが知ってとの通り、彼女は『あれ』でしょう?」


あれ、連合機密情報でもある特定の事を指す言葉、こいつみたいな外道でも、いやだからこそ知っているはず。

案の定、納得した顔で外道は話してきた。


「『あれ』ですか…僕としては、その『あれ』の解剖がしたくてたまらないですね。」


「外道…」


「なんですか?僕は単純に科学者として見てみたいんですよ。

なんていっても、超能力者みたいな人間ですしねぇ…アリス・ミスティオール、いえ…」


こいつは、すべてを知っている…その後話された言葉で私は確信した。


「………彼女の解剖をね。」

 

 

 


 

 

 

L1(ラグランジュ・ポイント・ワン) 地球連合地球圏防衛拠点要塞『シルフィニー』

地球連合統合宇宙軍(仮称) 現地球連合統合平和維持軍 

第一試験航空機動艦隊 旗艦 超弩級機動空母『タケミカヅチ』

 

CIC(戦闘情報センター)


 


「うわっ…なんか、情けないね〜〜統合軍地球本土防衛艦隊って。」

 

 

司令長官…まあボクのことだけど、自分がこんな友軍を貶すこと言っていいのかはおいておいて…

メイン画面に映し出されていた地球発進の統合軍艦隊は艦隊がまとまったかと思ったら、いきなり友軍同士で衝突をはじめた。

 

 

「あの…さくらちゃん。さすがに好きで衝突しているわけじゃないと思うんだけど…」

 

「えっ?にゃはは〜〜音夢ちゃん、そんなことわかっているよ〜〜あっ、砲撃まで始まった。

あれは自分でやっているね〜〜友軍に攻撃していたんじゃ統合軍の質も知れたって感じだよ。

…ともわれ、電子掌握だね。それじゃあ、本艦の中枢コンピュータ『アマツヒコ』に伝達。艦隊各艦に搭載された

戦略・戦術プログラムをこちらが提示するプログラムに書き換え。同時に通常データ通信をすべてシャットダウン。

物理回線ごと切り落としちゃっていいよ。ただし、レーザー通信は続けて、後はある種のパルス信号だけで司令は行うから。」

 

まあ、本当なら各艦に通信で作戦を通達するのが礼儀だけど、あっちが電子掌握できるとなると…

戦略・戦術プログラムの助けを借りないとちょっと大変かな〜〜とにかく、指示をボクが飛ばした。

ほとんど、このタケミカヅチのブリッジは飾りだけでCICにすべて移行してある。

ちなみに、CICでも、タケミカヅチのように200機以上の機動兵器に指示を出す艦ともなれるとちょっとした電子戦艦並みなんだぁ。

アマツヒコは現在テスト中の改オモイカネ級АIだからね♪

 

 

「司令。タケミカヅチ、タケミカガタ、護衛空母戦隊、およびイージス駆逐・巡洋戦隊発進準備完了しました。」

 

「システム・オールグリーン。連鎖相転移エンジン。出力2連鎖に固定します。ディストーション・フィールド出力安定。」

 

 

次々と命令した仕事を終わらせてくれる兵士たちにも感謝感謝。

基本的には、人を殺すなんてできない木星蜥蜴戦争時の兵士だけど、まあ能力が高い人たちってことかな…

蜥蜴戦争による被害は、億の単位。火星だけで億単位なんだから、それが人になろうとも大した問題はなかったのだろうけど。

 

人はすぐ慣れる…連合にいつも正義はあった。

それは万人が支持する『正しい考えの正義』ではなく『連合優先の正義』にせよ、先制攻撃を仕掛けたのは結局木連で

かつての僕たちは、火星の人々の敵という、後には地球の人たちの敵という言い訳があった。

木星本土は攻撃を受けていないんだ…連合政府が情報を遮断したのは戦意喪失じゃなくて、戦意暴走を抑えるため…

 

火星本土に当時住んでいた人口は数千万、ヘタをすれば数億。

そして地球本土ともなれば、その被害は確実に億単位にのぼり…それが同じ人類によって生み出された悲劇だったら…

誰が木連を許すっていうのさぁ…誰も許さない。

 

当時、大統領に就任して、戦後総辞職し、火星の後継者騒動後に再び大統領の座についたイリアス・ミスティオール大統領

に僕がある程度の信頼をおいているのは、彼女が生粋の政治家だから。

政治が戦争を不要と考えれば、戦争は終わる。感情論を展開しない彼女が戦争を指揮していたからこそ

一歩間違えれば無差別兵器多用による、殲滅戦すら行われるかもしれなかったあの戦争は一番良い形で終えられた。

 

ただ、ボクにも一つだけ腑に落ちない点がある。

『なぜに大統領は月全面奪還まで戦争を終結させなかったのか…』

月の軍事的重要度は理解しているつもり。だけど、そもそも月の軌道上に重力安定ポイントであるラグランジュ・ポイントがある。

L1は地球と月の重力中間点であって、別に月がなくても本土防衛には支障はなかった。

 

月には工場としての能力があるのも事実だよ。

けど全面奪還までした理由が…思い当たることがない。政治家は軍事に精通していないければならないけど

まあ、イリアス大統領は生粋の政治家。政治的に月の実権を連合が握りたかったという思惑があるのかな?

 

 

「B-25班より『例の物』搭載完了。司令、VLS(ミサイルの垂直発射装置)の何番に搭載なさりますか?」

 

『例の物』かぁ…

新地球連合はどうしてもするつもりなのかな…政治なんて汚れた物で、軍人は政治の命令に従うだけと言われても引けるよね…

 

「VLSの第74セルに搭載だよ。各艦にレーザー通信伝達。各艦に防空警戒態勢を。

多分、敵は機動戦艦ナデシコCだけじゃないよ。護衛空母戦隊のレイラー少将にもそう伝えて。

 

…テンカワ・ルリ大佐………早めに逃げないとすべて吹き飛ばすしかなくなるよ…」

 

 

 


 

 

 

 

艦内整備通路を細々と通るカナとルリ。

ルリは髪を短めに縛り、ツインテールのような髪型ではなくなっていた。

カナの後ろで動きつつ、ルリはずっと考え事をしていた。

 

 

『だいたい、人は不完全で、どこかにアンチテーゼを持っているものだから…』

 



よくルリは、自分のことを『月』だと言われる。

アキトにもかつて、ルリは自分が月のような、やさしい光だといってくれた。

それゆえに、ルリは自分が月なら…と思いを募らせていた。

 

月は、自ら光ることはできない。

 

あの光も太陽の光、他人のお陰で自分は目立つ存在。

月は太陽というパートナーを見つけたお陰で、人類から『やさしい光』と比喩されるようになった。

 


なら、私は…パートナーとなる太陽もなく、私は何をしようとしているの…

そして、その太陽…アキトとハーリー……一緒にして対極に存在している2人は…

 


既にアキトは太陽ではない…それをルリは薄々感じていたのかもしれない。

人の死を体で感じ取ってしまったアキトに、既に太陽となる資格などないのだろう…彼は、いや、彼もまた、月の様に太陽に

照らされることで、今の自分を見せている。

その太陽に、ルリは自分がなれないことを知っていた。その太陽は…ユリカだったから。

アキトさんには、ユリカさんがいなければ、既に自分を形作ることなどできない…それをルリは前から悟っていた。

2人で1人、そんなレベルではなく、2人でいるからこそ、彼らは2人でいられる。

1人では、アキトもユリカも自分を維持できない。そして、それはおそらく自分でも…

 


「『月の妖精、光の巫女と呼ばれても私は私でしかない』…アリス・ミスティオールの言葉よりか…あなたは…人を引き寄せる月なのかもね…」



ふと、そんな考えに浸っているとカナが猪突にそう話しかけてきた。

もちろん、動き続けながら小さな声だったが、それはルリを気遣っているようだった。

しかも、ルリを考えを読み取れたかのように話はピンポイントであった。

 


「あなたは、ただの月じゃない。自ら光ることはできなくても、その光るものを引き寄せる力がある。

それって、素敵なことじゃないの?

他人を引き寄せることができる…それって、あなたがあなたらしく生きている証拠でしょう?」

 


「私が私らしく…」

 


その言葉は、ルリの心の中で反発していた。

ルリが今のルリである理由は、かつてのナデシコ…だが、そこから自分は進んだのだろうか?

アキトもユリカも、ナデシコの皆は進んでいったのに、まるで取り残されたような感覚にルリは陥った。

強い太陽ほど、自らがどんなに回りを照らしているか分からない。

だとしたら、自分が自分らしく見えるのも、また太陽のお陰。

太陽がいなければ自分は今頃、月などというあやふやな、太陽がなければ存在すら分からないものはいなかったかもしれない。

かつての自分に、太陽…自分を照らしてくれる存在などいることすら知らなかっただろうに。

今では、逆に照らしてもらわないと不安で仕方ない。自分は弱くなったとは思わないが、いや弱くなったのかもしれない。

 


「月、地球、太陽…本当なら地球の方が奇麗。だけど、太陽は月に惹かれた…

自らの放った光で月が光っているとも知らず、月もその太陽のお陰とも知らないで…そして、それを知っているのは地球人類だけ。

あなたが、太陽にあこがれるように、また太陽も月に憧れるもの…かしら?」.

 


あえて疑問系でカナはそういうと再び無言で動き始める。

彼女も、また、他人の気持ちを感じ取ることに関しては、ユリカやミナトと近いものがある。

それは、マシンチャイルドであったハーリーと接することで得たものであった。

 

だが、そんなことをルリは知るよしもない。ブラコンのカナがルリとハーリーの仲をわざわざ案じていること、それが異例なことだということも。

 

 

この艦内占拠という事態、艦長として問題ある行動なのかもしれない。こんなときにそんなことを考えるなんて。

あのユリカですら、きっとこんな事態が起きれば艦長としての責務をするだろう、ルリにとってユリカは目標であり、憧れでもあった。

こんなときに、自分が好きな人のことなんて考えている自分、あまりにも惨めに見えてきて自分が嫌にルリはなった。

しかし、考えてしまったものが消えるはずもなく、後味の悪い自己険悪を響かせながら、ルリとカナは予定していたポイントまでようやく到着した。

 

 

「…ここが、ウリバタケの秘密研究所ナデシコ支部って言う奴?」

 


強烈なシンナーのにおい、ここは間違えなくウリバタケが使用していた部屋だと五感から感じ取られる。

かつての思兼騒動のときと変わらない、ある意味で有害なほど濃いシンナーのにおいがそこには漂っていた。

 


「ちょっと臭いですけど…いえ、こんなにおいがするのはウリバタケさんが使っていた部屋以外ありえません。」

 


「現ナデシコC整備班長のヤマブキ・ケンジ大尉、一応、元はこっちの所属だから覚えているけど、彼もそういった趣味の人間だったはずだけど?

艦長として、乗員の性格は覚えておくべきじゃない?

まあ、あなたにとって、ナデシコBの時のクルーは、心を開くことのできない親しみのある人だったのかしら?」

 


「…慰めたり、痛めつけたり…私に何を求めているか知りませんが、あなたに言ったことは…事実かもしれませんね…

私はユリカさんみたいに、艦内全員の顔、性格、更にはその人との付き合い方まで分かりませんから…」

 


「まあ、さすがに性格や付き合い方まで200名以上のクルー全員のそれを覚えているのは天才テンカワ・ユリカ嬢だと思うけど。

ただ、私はそういう意味で言ったわけじゃないわよ。あなた個人ではなく、艦長として最低限するべきことはすれば?ってこと。

その場限り、場当たり的に世の中動けば、不幸ばかり訪れるわ。あなたが自ら選び、心から受け入れられないことならもっとね。」

 


場当たり的、まるで自分のことそのものですね…きっとカナは意図していったわけではないだろうが

ルリにそう思えた。

ナデシコ乗艦から自分はずっと場当たり的に過ごしてきた。

あの時、アキトとユリカが結婚するとき、自分から得た場所でなければ奪われると思っていたのにもかかわらず

自分は、場所だけは自分でとりながら、その場所で本当に周りと溶け込もうなどしていない。

ハーリーとサブロウタ、2人は積極的にルリに関わりを持とうした、だけどそんな人ばかりではない。

ブリッジクルーでも、他でもそうだ。艦長という位置にいて、自分のことしか考えず、それも場当たり的なことしかしていない。

そもそも、アキトを連れ戻そうとしたときだって、ハーリーが事前に情報を集めていなければ場当たり的に動いて

最悪な結果に終わっていたかもしれない。ボソンジャンプの事故は年数回のペースであるのだ。

その一回に巻き込まれない保証などない。そして、その時部下を巻き込んでいたら…


 

気づかなければ、それは無知であり無恥だ。だが、無恥も自分で気づかなければ直るはずもなく

かつての自分が、もしそれすら指摘されなかったとしたら…巻き込んだとき、心から悪いことをしたなどとは思わないだろう。

 


ただ、ナデシコB、Cのクルー…自分には時間も、それをやるだけの力もあるのだ。

ここでナデシコを取り戻せば、かつてのナデシコAのようになる、だがユリカではなく、ルリが艦長という…

そのためには、この艦を取り戻さないと…とここまで考えて、目の前でルリを見続けていたカナが少し笑った。

 


まさか…

 


「ようやく、本気で艦を取り戻そうと思った?

どうせ、ナデシコを、この艦を『物』と思っているのと、大切な『時間』と思うのとでは違うんじゃないかしら?

私はわからないけど、大切な人、大切に思いたい人といた空間は、ものではなく時間って言うのは間違えじゃないと思うけど。」

 


「…人を乗せるのがうまいですね。わざわざ私から絶対に取り戻そうと思わせるためにさっきからそんなこと言っていたんですか?」

 


カナにはめられた…

元から、ルリの性格云々はどうでもいいことだったのだ、カナには。

それは後でどうにかできること、だから彼女はそのどうにかできる場所、ナデシコを守らせようとわざわざそんなことを…

 


「まあ、ルリちゃんがやる気になったところで、このちょっと怪しげなコンピュータの埃を落として、細工しましょう?

ウイルス系のものを作って、艦内の小型コンピュータ多数に侵入して、命令と同時にサブのホストコンピュータを攻撃

その間に、私たちは思兼の中枢コンピュータルームに向かう、私の考えはこんなものだけど、どう?」

 


と、艦内見取り図らしきものと同時に、艦内のコンピュータの配列のある紙をどこからか取り出すカナ。

この部屋、もともと設計時に色々と知恵を出していた人たちが使っていたところだったはずだから、出してきたのかもしれないと思いつつ

ルリはその作戦をよく考え付いたと感心する。

 

ルリもほぼまったく同じ作戦を考えていた。だが、その作戦は基本的にマシンチャイルドの能力を知らなければいけない。

ハーリーと一緒にいたカナとはいえ、そう易々考えられる作戦ではないはずだった。

 


「あっ、そうですね。サブ・コンピュータへのハッキングは、DDoS攻撃(多数のコンピュータから大量のデータを叩き込んでフリーズさせること)

で良いと思います。ただ、オモイカネのことを考えると行動は一瞬で終わるべきですし…それに

オペレーターが1人だけでは…」

 


オペレーターがせめてもう1人いれば…相手にもいることを考えれば確実……

それほど悔しいことなどないが、ハーリーかラピスが入れば可能であった。

 


「大丈夫よ。もうすぐ…」

 


自身バッチリに言うカナ。少し怪しいものがある。

いくらなんでも、ルリ1人では厳しい。所詮1人は1人で、それ以上の力など出せるはずもないのだから。

 


「いったい、何を根拠に…」

 


「もうすぐ、ヒスイが行動を起こすはずよ。それまで待てば私たちのところに強力な助っ人が来るはずだから。」



 

 

 


 

 

 

ヒスイ・イズール、いや本名はヒスイ・コンドュール…

 

連合最大派閥ミスティオール家の下に存在する

御三家『コンドュール家』の長女でもあり、メノウの本当の姉である彼女は

フェアリー・ガーディアンズ本部の司令席にゆっくりと座った。

本来なら、カナが座るべき場所だが、彼女の予備役としての内容は

『フェアリー・ガーディアンズ 司令代行』、つまりは司令がいないときの司令だ。

 



「それで、現状報告は?」

 


統合情報司令部とも言うべき、この部屋でヒスイは横の席にハーリーが座るように進めると、直ぐに補佐官たちに状況報告を促した。

 


「はい。ナデシコは高度50000メートル、既に連合軍のスクラムジェット戦闘機の航続距離を通過し、統合軍本土防衛艦隊

の防衛圏である第五防衛ラインを無効化し更に進んでいます。」

 


「連合軍本土防衛ラインは、今はビックバリアがなくて、確か第一次防衛ライン以下、統合軍が管轄でしたね?

既に攻撃自粛は、大統領から到達されているのですか?」

 


「はい。既に攻撃命令その他に関して、イリアス・ミスティオール大統領の手回しで抑えられています。

ただし、コロニーその他、民間人への影響が現実に考えられる事態となった場合にのみ、攻撃を認めています。」

 


判断の鈍い新地球連合にしては、手際の良い行動ですね。さすが大統領です、などとわざわざ心の中でも礼儀良く考えるヒスイだったが

とはいえ、実質上のこのナデシコ事件に関する権限は統合軍総司令よりも彼女の方が高いのも事実だった。

大統領以下の閣僚、正確には新地球連合中央政府の直属機関であるフェアリー・ガーディアンズの権限はそれほどのものということだ。

 


「そうですか…ハリさん、どうしたいですか?」

 


「えっ、ぼ、僕ですか?」

 


いつもはのんびりな感じの耐えないヒスイが真面目な顔で、しかもどこから見ても真面目そうな30代や40代の幕僚と共に

意見を求められ、ハーリーもさすがに突然のことで驚いてしまった。

だいたい、一個人でしかないハーリーにわざわざ聞く必要もない。

だが、だとしてもハーリーにも言いたい事はあった。

 


「…ルリさんや姉さんを助けたいです…だから、直接的な攻撃は…」

 


たった、それだけの言葉。だが、それにはハーリーの本心からの思いがこもっていた。

それを聞いたヒスイは直ちにある決断と共に命令を下した。

 


「そうですね…分かりました。サザナミさん、統合軍司令本部に統合軍本土防衛艦隊には無駄な挑発をしないように警告しておいてください。

衛星軌道上に集結している第一試験航空機動艦隊にも一応、その旨を伝えてください。

同時にイリアス大統領以下の中央政府各所に特別非常事態宣言に伴う、特別権限B−52を発動。

連合中央政府ピンポイントジャンプ実験施設の使用を承認させてくださいね。それと特殊邀撃部隊を精鋭中心に2個特務中隊編成をしてください。」

 


特別非常事態宣言に伴う特別権限『B−52』

それは、連合政府並びに連合政府管轄下にある組織、施設…統合軍、宇宙軍も勿論含む…

それらの最優先使用権をフェアリー・ガーディアンズ司令の下おく事のできるというものだ。

 

ハーリーは知らないことだが、このB−52を発動したことなど一度もない。しかも、この権限はすべての連合組織に渡る為

国家非常事態宣言クラスのものでなければ、通常は使うことのできないものだ。

 


「…た、大佐っ!?正気ですか、そんなことをすれば我々の存在が薄々でも世界各国、更には軍に知れ渡ることとなり…」

 


「それで、新地球連合がなくなっても良いと?

ナデシコCのコンピュータのプロテクトは相当の物と聞きます。そうですよね、ハリさん?」

 


「えっ、あ、まあ、オモイカネはそう易々とは…」

 


「お聞きになりましたね?そのシステムが落ちた、イコールで相手にマシンチャイルドクラスの能力を持つ人間がいるということです。

これとナデシコCの電子掌握機能を考えれば、この本部以下の全コンピュータのシステム掌握が終わるかもしれません。

そんなことになれば、防衛システムが完全に敵の制圧下になり、連合軍は組織的な反抗もなしに降伏するしかありません。

これを国家非常事態といわないのですか?お笑いものですね、分かっていただけたなら、直ちに行動に移していただけると嬉しいのですが?」

 


正論に勝る、言論無し、そうでも言うかのごとくのヒスイの説明

しかも、言われた方もまるで嫌に気分にならない、その言葉を聞くと直ちに全員が動き出した。

ただ、ヒスイとハーリーはその場で残っていた。

 

 


「ふう…気取っているのも疲れます…」

 


座っている椅子は相当なもので、その値段は軽く十数万以上のものだろう…ヒスイはゆっくりと深く腰を付けた。

ハーリーはそんな余裕もないのか、ただ、ナデシコCの現在高度の表示を見続ける。

 


「満月もあれば、新月もあります…ハリさん、良いこともあれば悪いこともある、月夜ばかりと思っていれば、何時の間にか

月のない新月だってありますからね…何も深刻な顔で入る必要はないと思います…」

 


「…これを、ルリさんや姉さんの命が今、無事かもわからないのに冷静でいろと…言うんですか…」

 


そこにいつものハーリーがあったかといえば無いといって良いのかもしれない。

いつもの楽しそうな顔したハーリーは無く、そこにいるのはただ心配して顔色も良くない少年にしか過ぎないのだから。

そして、そんな少年に、大切な人達の生死がかかっていて冷静でいろとは酷いことなのかもしれない。

だが、ヒスイはゆっくりとコーヒーを一口飲むと話を続けた。

 


「特務諜報機関にとって、一番の敵は敵対組織などではないんです。冷静さ、もっといえば冷静な行動が取れるか…です。

私も、かつて妹がたくさんいました。実はメノウもその1人なんです。だから私の本当の名前は『ヒスイ・コンドュール』…

あの時、初めて私がこの組織で働いたときです。私は冷静さを欠いて真に有した特殊部隊を壊滅の危機にさらしてしまいました。

だから、私は予備役だったんです…だから、私も無理してでも冷静でいようとしているんです。」

 


自分のミスで、その恐怖はハーリーにも良く分かった。

生死と隣り合わせの軍隊にいるという意味では、ハーリーも同じだ。

自分のミスが全体に影響するオペレーターならなおさら。

そのことを分かっていただけに、さっき言った言葉にハーリーは後ろめたさを感じた。

 


「…ごめんなさい…そんなこと、知らないで…」

 


「いいんです…さてと、月の光を放つ少女と、ある意味では地球とも太陽とも取れる活気な女性の救助にでも行きましょうか?」

 


準備完了の報告が届くとヒスイは笑顔でそういった。

 


「それって、ルリさんと姉さんですか?」

 


「夜だって楽しみたい。たとえ月夜ばかりじゃなくてもね。本質的にカナ様もルリ様も同じ、太陽に照らされたものと同じ、ということです。

実際に、私は色々と見るにカナ様とルリ様、本当の性格的には似ていると思いますけど?」

 


「ブラコン姉さんとルリさんがですか?

…そうだったら、何か嫌ですけど…楽しそうです。でも、だったら助けないと…でもどうやって?」

 


システム掌握では、多分ハーリーは勝てる気がしなかった。

ルリに劣るハーリーが、ルリ並みの力を見せていた、相手と相手するには少し荷が重すぎる。

だが、そんなこと知っているかのような顔で、しかも相手を安心させる笑顔のままでヒスイはゆっくりと話す。

 


「ご安心ください。伊達に妖精の守護者(フェアリー・ガーディアンズ)の名乗っているわけではありません。

連合政府が研究しているピンポイント・ボソンジャンプシステムで直接飛びますよ…ナデシコCに。」


 


その時、ハーリーはヒスイが始めて…本気で敵と相手になろうとしていることが分かった。

同時に思い出した。

カナとメノウが一緒にいたこと、きっとメノウも…

 


「大丈夫ですよ…メノウさんも。」

 


「自分で暗くなったと思えば、今度は相手を励ますんですね、ハリさん。

ありがとうございます。それでこそ…私達の太陽・・・いえルリ様の太陽となるにふさわしいのかも…しれませんね。」

 


ヒスイはそう言い残すと、部屋に後にして・・・ピンポイント・ボソンジャンプドームへと足を向かわせた。

ナデシコC占領、2時間後のことだった。

 

 

 

 


 

 

後書き

…ジ・アビス、なんとなくやってみたいなぁ、と思う今日この頃です。

えっと、実は友人(K.T氏)宅にそのゲームがあってですね、攻略本とか適当に呼んでいるうちにすっかりやりたくなって…(笑)

いや、やっぱりあの台詞『月夜ばかりと思うなよ』っていいですよね(爆笑)

しかも、この話でつかっちゃったし…まあ、僕の中でルリは月、アキトとハーリーは太陽、ユリカも太陽だけど

彼女はカナみたいに地球でもあるような気がしますけどね。自ら光ることもあり、また、その星そのものが美しい。

いわゆる、シリウスとか、プロキオンとか呼ばれる分類の若い光を放っている星です。

月みたいに光が無いと美しくないのと違ってですね(クレーターだらけですから、月って以外と)

アキトの場合は劇場版で後ろめたい、自ら光のことを止めてしまったわけですから

ユリカに照らされることで自己を維持しているといって良いです。

つまり、空白の三年間よりも夫婦仲が良い…万年新婚夫婦ね(爆)

 

 


ルリの性格が陰険になったような…暗いことしか考えていないし…

でも、こんな話書いておいてなんですけど、ナデシコ世界の艦長って『お飾り』なんですよね。要はやる気が出る美少年、美少女タイプの艦長でもいいわけですから

ルリは正に美少女タイプの艦長なんでしょう(でも、そう言いつつ劇場版とか難そうな艦長ばっかりだった気が…)

でも、だとしてもルリにとって艦長とは正にテンカワ・ユリカのような万能な人のことを言う、というか彼女でしかルリは艦長を殆ど知らないわけですし。

比べるだけ問題なんだとも思います。ユリカはそういう艦長として、部下、いえそうとも呼べない仲間の関係をすぐに作ってしまうタイプです。

性格の問題で、ルリのような性格だとそんなことは、まずできません。

勢いで仲良くなるユリカと違い、ルリはゆっくりと仲良くなるタイプです。

それゆえに、ナデシコCでは話を押される(A艦は民間船だったのもあって話を押してくる人ばかり)ルリだったので、話をしなければ誰とも仲良くなれなかったのでしょう。

サブロウタや、サブロウタに押されて一緒にしたハーリー辺りが、ゆっくりとその固く縛られた紐を解いていたのでしょう。劇場版本編では。

 


あっと、ちなみに今回登場した超弩級機動空母(本来なら機動母艦)『タケミカヅチ』『タケミカガタ』は日本書紀に出てくる神の名前です。

ちなみに某種運命にも同様の名前の空母がありますが、あちらはパクリで、私が参照したのは

紺碧の○隊という仮想戦記小説に出てくる『戦略空母建御雷(たけみかづち)』です。

ナデシコものには滅多に出ない機動母艦なのですが、あえて出して見ました。というか実はもう第一部ぜんぶできていて大きな修正が効きません(笑)

だから一人称にするのが大変なんですねぇ…追加と削除で機動空母タケミカヅチに出てもらいました。

稼動数200強は脅威に値します。また、そこに乗っている司令以下一部のメンバーも某ゲームより引用しています。

分かる人だけが分かる曲芸商法常習犯の会社のゲームです(笑)

 

 

とにかく、ご意見ご感想はできる限りメールで。無理ならば、掲示板でも結構です。

予告は前回同様ルリルリ(今度は16歳バージョン)にお願いしましょう。

 

 

 

次回予告

えっと、私が予告をすることになりました。ホシノ・ルリです(ペコリ)

なぜか、作者さんが『怖いルリルリだと殺されそうなのであえて16歳の劇場版バージョンね』とか言っていますが

作者さんもどうやらハリ×ルリものにして、管理人以下のアキトさん大好きなルリさんに殺されるのではないかと心配しているみたいです。

 

とにかく、次回はどうやら作者さんも言うように転換期、話が大きく動くそうです。

D−52の発令で世界は混乱に、まあ、政府があらゆるものの独占的使用許可を出す非常事態で慌てない人なんて殆どいないわけですが…

でも、実際に使用許可を申請しない限り大した被害はないと思うんだけど…

 

そして、ナデシコCで反抗が始まるとき、私の真実が公開される…

次回『月の妖精と電子の妖精』

お楽しみにしていてくださいね。